トランプ次期米大統領がトルコへのF-35戦闘機売却を支持する見通しが強まっています。複数の関係筋が明かしたもので、この決定は中東地域の軍事バランスと米国外交の大きな転換を示唆しています。

F-35は最新鋭のステルス戦闘機で、米国が同盟国に供与する最高水準の軍事技術です。トルコへの売却は、オバマ前政権以来の懸案事項でしたが、トランプ(Trump)前大統領時代も実現せず、バイデン現政権下では見送られていました。

トルコとNATOの微妙な関係

トルコはNATO加盟国でありながら、ロシアやイランとも関係を保つ戦略的な立場にあります。2016年のクーデター未遂事件後、米国との関係は冷え込み、ロシアから防空システムS-400を購入したことで米側の反発を招きました。その結果、当時のF-35配備計画は凍結されていました。

イスラエルもこの問題に強い関心を持っています。トルコはイスラム圏ではイスラエルと外交関係を持つ数少ない国ですが、ガザ情勢をめぐって近年対立が深まっています。F-35売却がこうした地域秩序に与える影響は不透明です。

トランプ政権下での対中国戦略

トランプ次期大統領は対中国政策を重視しており、トルコをこの戦略に組み込もうとしているとみられます。トルコはロシアの黒海艦隊を牽制できる重要な位置にあり、NATO東部の防衛強化という文脈でF-35売却が正当化される可能性があります。

ただしこの決定は、中東の複数の勢力から反発を招く恐れがあります。アラブ諸国やイスラエルの思惑、さらにはロシアとの関係悪化の懸念も絡み合っています。米国の中東外交における優先順位の再編成が、地域全体の安定をどう左右するかが問われているところです。

関連動画