イスラエルの超正統派(ハレディ)政党が、兵役義務とトーラー研究を同等に扱う基本法の制定を断念した。この決定は、軍の人員確保と宗教的自由をめぐる長年の対立に終止符を打つ可能性がある。同国では建国以来、超正統派ユダヤ教徒の兵役免除をめぐって激しい政治的対立が続いてきた。

超正統派が譲歩した背景

ネタニヤフ(Netanyahu)政権の連立交渉において、超正統派政党は政治的影響力を大きく失った。2024年の大規模テロ以降、イスラエル国民の間では国防強化を求める声が高まり、兵役免除への批判が強まっていた。複数の世論調査では、国民の7割以上が全国民への兵役適用を支持していたとみられる。こうした圧力の中で、超正統派は当初掲げていたトーラー研究を兵役と「同等」とする基本法案の成立を目指していたが、撤回することを決定した。

兵役制度の行方

今回の決定により、イスラエル軍の人員確保に向けた大きな障害が取り除かれた形だ。超正tradicional派の若者約6万人が兵役対象になる可能性があり、数年にわたる段階的な編入が検討されている。ただし、超正統派コミュニティの宗教的・文化的特性への配慮も求められており、専門的な訓練プログラムの開発が進められるとみられる。軍指導部は人員拡充による戦力強化を重視しており、統合プロセスが円滑に進むかが当面の課題となる。

関連動画