イスラエル国会(クネセト)は7月15日、宗教的食事規定に関する重要な法案を可決しました。大ラビ庁(Chief Rabbinate)のコーシャ認証(ユダヤ教食事規定に適合した食品の認定)に対する独占権を復活させる内容です。この決定は、イスラエル国内の宗教と世俗の対立構図が依然として根深いことを象徴しています。
大ラビ庁の権限巡る長年の議論
コーシャ認証制度は、ユダヤ教の伝統的な食事規定に従う食品・飲食店の認定システムです。かつて大ラビ庁がこの権限を独占していましたが、2000年代以降、民間企業や地方自治体による認証も認められるようになっていました。今回の法案成立により、大ラビ庁が改めて絶対的な認証権を握ることになります。宗教的に厳格な超正統派ユダヤ教(ハレディム)勢力の要求に応じた形であり、ネタニヤフ(Netanyahu)政権下で連立を組む超正統派政党の影響力が強まっていることを示しています。
世俗派の反発と社会的分裂
この決定に対して、イスラエルの世俗派やリベラル派からは強い反発が出ています。市民や企業の選択肢が狭まり、宗教的な自由が侵害されるという批判です。特に首都テルアビブなど都市部では宗教的に寛容な傾向が強く、単一の宗教機関による規制強化は社会の分断をさらに深める可能性があります。イスラエルは民主主義国家である一方で、建国の理念に関わるユダヤ教の位置付けについて、国民間の価値観の相違が根本的に解決されていない状況が続いています。
政治的妥協と国家的アイデンティティの問題が交錯するこの問題は、イスラエル社会の内的矛盾を浮き彫りにしている。
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