イスラエルの議会クネセトが7月16日、学位取得の過程で男女を分離する教育環境を認める法律を承認した。宗教的背景を持つ学生グループを対象とした措置で、正統派ユダヤ教の戒律に基づくジェンダー分離の原則を学術機関で適用する内容となっている。この決定は、イスラエル社会における宗教と世俗主義の対立軸を改めて浮き彫りにしている。
正統派ユダヤ教の影響拡大
イスラエル政府は過去数年にわたり、宗教的保守派の影響力を強めてきた。ネタニヤフ(Netanyahu)首相率いる現政権は、正統派ユダヤ教界の支持を基盤としており、宗教的価値観に基づく政策を積極的に推し進めている。今回の法律は、大学やカレッジで男女別学の教室編成や学習環境を許可するもので、従来の男女共学制度との大きな転換を意味する。正統派コミュニティにおいて、異性との接触を制限することは宗教的戒律上の重要な要件とみられ、その実現を学術現場でも確保する狙いがある。
世俗派からの懸念と分断の深化
このような政策転換に対し、イスラエルの世俗派やリベラル派から強い反発の声が上がっている。大学教員組合や女性団体は、教育の場での性別分離は差別であり、学問の自由と機会均等の原則に反すると主張している。イスラエル社会は、建国以来、世俗主義と宗教主義の緊張関係を抱えてきたが、近年はその溝が急速に深刻化している。ガザでの軍事作戦の継続と相まって、国内の社会的分断はイスラエルの民主的機能そのものを揺るがし始めている。アカデミック界の独立性維持と政治的圧力の間で、イスラエルの大学は困難な局面を迎えている。
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