ユダヤ系の政治家がイギリスの外交トップに就任することになりました。労働党の前党首エド・ミリバンド(Ed Miliband)氏が新しい外相に任命されたのです。ユダヤ人コミュニティの出身者が現職の外相となるのは、イギリス現代史でも極めて異例なことです。
中東外交への影響が焦点
ミリバンド外相の就任は、イギリスの中東政策に大きな転換をもたらす可能性があります。イスラエル・パレスチナ紛争をめぐっては、これまでイギリス政府は比較的バランスの取れた立場を保とうとしてきました。しかし、ユダヤ人出身の外相誕生により、イスラエル寄りの政策が強まるのではないかという懸念の声も出ています。同時に、ミリバンド氏自身が過去にイスラエルの入植政策を批判してきた経歴があり、単純にイスラエル支持一辺倒とは言えない複雑さがあります。イギリスはアメリカやEU各国との調整が一層難しくなる可能性もあります。
ユダヤ人コミュニティとの関係修復
労働党は近年、反ユダヤ主義(アンチセミティズム)問題で大きな批判を受けてきました。ミリバンド氏の前任党首たちの下で、党内のユダヤ人差別疑惑が浮上し、コミュニティとの信頼が損なわれていたのです。ユダヤ系出身の外相登用は、この問題への対処姿勢を示す象徴的な人事とみられます。ただし、パレスチナ支持派からは「イギリスがイスラエルに傾斜している」と批判される可能性も想定されており、党内の分裂をどう乗り切るかが課題となります。
外交トップの交代は、ガザ紛争後の中東和平プロセスの進展を目指すイギリスの姿勢そのものを問う試金石となるでしょう。
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