米メイン州の民主党上院議員候補者選の初選挙でトロイ・ジャクソン(Troy Jackson)州議会議長が指名を獲得しました。進歩派の実績が評価されての勝利ですが、同州でも高まるイスラエル政策をめぐる議論から目立った立場表明を避けており、民主党内の分裂懸念を映す選挙戦となっています。
進歩派候補の勝利の背景
ジャクソン議長は労働運動や気候変動対策を掲げてきた民主党の左派を代表する政治家です。同州では2020年の大統領選でバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員支持層が存在感を示しており、彼らの支持を集めたとみられます。メイン州は米国でも労働組合の力が強い地域で、経済政策での急進的立場が有権者に訴求したと考えられます。一方、黒人や少数民族の権利擁護への発言歴も評価されました。予備選を通じ、ジャクソン議長は民主党の進歩派基盤を固めることに成功した形です。
イスラエル政策での沈黙
注目されるのは、ジャクソン議長がイスラエル・パレスチナ紛争について明確な立場を避け続けたことです。米国ユダヤ人組織AIPAC(米国イスラエル公開委員会)との関係や、同紛争での民主党内の意見対立が背景にあるとみられます。進歩派内ではパレスチナ支援の声が高まる一方で、伝統的な親イスラエル派も党内に根強く存在します。この分裂を前に、初選挙勝利の候補者がどちらにも明確に肩入れしない戦略を採った可能性があります。ただし、秋の本選に向けて有権者からの説明要求は必ず高まるでしょう。
秋の本選での課題
中東政策での曖昧な立場は初選挙の勝因となったかもしれませんが、本選での足かせになる懸念も生じています。米国では中東情勢がかつてないほど政治的分裂要因となっており、イスラエル政策への明確な立場表明が主流派政治家に求められる状況です。ジャクソン議長は今後、共和党候補や有権者からの質問に対してどう応答するか判断を迫られることになります。メイン州での上院選の結果は、民主党全体の中東政策めぐる内部対立を象徴する事例として注視される局面を迎えています。

