2001年の同時多発テロから25年を迎える中、アメリカの追悼式典をめぐる議論が再燃している。イスラム教徒でもあるコロンビア大学教授マムダニ(Mamdani)氏の参加に対し、テロ被害者遺族の一部が強い反発を示しているのだ。式典の意義と言論の自由がぶつかる、難しい局面が生じている。

遺族たちの懸念

マムダニ氏はウガンダ出身で、帝国主義とテロリズムの関係を研究してきた。イスラム世界の観点から9・11を分析した著作も発表しており、中東情勢を考察する際に引用されることが多い。しかし一部の被害者遺族は、イスラム世界の背景理解を強調する彼の論説が、テロ行為の動機を「理解」させようとしているのではないかと懸念している。追悼式典という場で、加害者側の視点が入り込むことへの根深い不安が存在するのだ。

言論と感情の衝突

学問的な言論の自由と、テロ被害者の心情的な傷との間には埋めがたい溝がある。追悼式典は個人の学術的立場を評価する場ではなく、失われた命を悼む神聖な儀式と考える遺族の思いは理解できる。他方、多様な観点を排除する姿勢は、開放的な民主主義社会の原則と相容れないという議論もある。マムダニ氏自身は、テロ行為を正当化しないながらも、その歴史的背景を分析することの重要性を主張しているとみられる。

複雑に絡み合う信念や感情の問題だからこそ、アメリカ社会全体で真摯な対話が求められている。

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