ネタニヤフ(Netanyahu)首相が率いるイスラエル右派政党「リクード」は、党内の候補者選定プロセスに対する首相の支配力を強化する計画を承認した。この決定は、イスラエルの政治権力構造において首相個人の影響力をさらに拡大させるもので、党内からも異議の声が上がっている。
党指導部の権限強化の意味
リクード党が承認した改革案は、次回総選挙の候補者名簿作成における首相の決定権を従来よりも広げるものとなる。イスラエルでは政党が提示する候補者リストが議席配分を大きく左右するため、名簿作成権は実質的な党内権力の源となる。今回の措置により、ネタニヤフ首相は自らに忠実な議員を優先し、異論を唱える議員を排除しやすくなるとみられる。これは首相の党内基盤を安定させる狙いがある一方で、党内民主主義の形骸化につながるとの批判も出ている。
党内の権力闘争の背景
リクード内部では数年前から求心力の分散が進んでいた。保守系やポピュリスト系など異なる政治信条を持つ議員グループが並立し、党の方針をめぐる対立が深刻化していた。ネタニヤフ首相にとって、こうした内部分裂を抑制することは政治的安定に不可欠と判断されたのだろう。承認により首相は議員の統制をより直接的に行える体制を整備し、政府の政策推進において党内反対派の影響を最小化できるようになる。
現在のイスラエルは中東情勢の緊迫化により強固な指導体制を求める声も強く、この決定が国内政治の安定につながるか、それとも権力集中の弊害をもたらすかは、今後の党運営と議会活動を通じて判明することになる。
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